「これ、まだ使えるし」「いつか使うかも」「捨てるのはもったいない」
これが、小さい家に引っ越す前の私の口癖でした。
使っていないものでも、壊れていないものは捨てられない。いただきものは特に捨てにくい。押し入れや引き出しの奥に「とりあえず」しまっておいて、存在すら忘れていくパターンを何度繰り返したかわかりません。
捨てられない人間だった、というのが正直なところです。
転機はソファを手放した日
小さい家に引っ越したとき、独身時代から使っていた二人掛けのソファを持ち込みました。
でもリビングが狭くなる、荷物置きになる、掃除がしにくい——デメリットの方が大きくなって、手放すことにしました。
ソファがなくなった日、部屋がぱっと広くなった感覚がありました。
「あ、すっきりする。」
それまでの私は「捨てる=もったいない・損をする」という感覚でいたんだと思います。でもソファを手放したあの日、「捨てることで得られるものがある」と初めて実感しました。
これが、私の「捨てる」への意識が変わったきっかけです。
捨てて困ったことはない。でも思い出すことはある
あれから少しずつ、捨てられるようになりました。
服、本、子どものおもちゃ、使っていないキッチングッズ。「まだ使えるかも」と思っていたものも、「今使っていないなら手放そう」と思えるようになった。
正確に言うと、「捨てて困った」ことはありません。でも「あ、あれ捨てちゃったんだった」と後から思い出すことはあります。
ただ、思い出すだけ。なくて困るわけではないので、結局そのまま忘れていきます。本当に必要なものなら、困るはずなんですよね。困らないということは、なくても大丈夫だったということ。
この経験を重ねるうちに、手放すことへの怖さがだいぶ減りました。
小さい家に住んでいると、モノが1つ増えるだけで体感がガラッと変わります。だからこそ「本当に必要なものだけ置く」という感覚が、自然と身についていきました。
「もったいない」を乗り越えた3つの考え方
捨てられるようになったといっても、最初からスパッといけたわけではありません。私の場合、いくつかの考え方が助けになりました。
1. 「使わない方がもったいない」と考える
「まだ使えるのに捨てるのはもったいない」と思っていたのですが、ある時、逆なんじゃないかと気づきました。使えるのに使われないまま眠っているモノの方が、よっぽどもったいない。
そして賃貸暮らしだと、こういう考え方もできます。使わないモノを置いておくために、毎月家賃を払っているんだよな、と。52㎡しかない家なら、なおさらです。
2. 手放すと、スペースと心に余白ができる
モノを減らすと、物理的なスペースが空きます。でもそれ以上に大きいのが、気持ちの余白。
「片づけなきゃ」「そのうち何とかしなきゃ」という小さなストレスが、モノの数だけ存在していたんだと思います。手放すとそれが消える。空いた余白には、新しいモノやコトを受け入れる余地が生まれます。
3. 人に譲る・売ると、罪悪感が減る
これは実感としてかなり効きました。「捨てる」だと申し訳なさが残りますが、「誰かに使ってもらう」なら気持ちが軽い。
わが家の手放し先は、人に譲るか、リサイクルショップに持っていくかの2択です。
ちなみにフリマアプリは使っていません。写真を撮って、説明文を考えて、購入者とやりとりして、梱包して発送して……という一連の流れが、ズボラな私にはどうしても面倒で(笑)高く売れるのは分かっているのですが、その手間をかけるくらいなら、まとめてリサイクルショップに持ち込む方が性に合っています。
そして、リサイクルショップで引き取ってもらえなかったものは、潔く手放します。「誰かに使ってもらう」を試したうえでダメだったなら、もう十分。そこで踏ん切りがつきます。
おまけ:迷ったら一度箱に入れる
どうしても決められないものは、一度箱にまとめて置いておきます。しばらく経っても一度も開けなかったら、それはもう必要ないもの。時間が判断してくれます。
今も捨てられないもの——贈り物・手紙類
とはいえ、完璧に捨てられるようになったわけではありません。
今も正直、捨てられないものがあります。それが贈り物や手紙類。
誰かからもらったもの、手書きの手紙やカード。「もったいない」というより、「捨てたら申し訳ない」「もらった気持ちごと消えてしまう気がして」という感覚で、なかなか手放せません。
今はとりあえず一か所にまとめて保管しています。完璧に整理できていないけれど、それでいいかなと思っています。捨てられないものがあってもいい。全部手放す必要はない。
「捨てられるようになった」とはいえ、まだ途中です。それが正直なところです。
母を見て思うこと
最近、実家に帰るたびに考えることがあります。
私の母は、モノが捨てられません。「使えるモノを捨てる」という発想がそもそもない人です。実家は田舎で広さだけはあるので、置く場所に困らない分、どんどん溜まっていきます。
帰省のたびに「これ、捨ててもいいんじゃない?」と声をかけてはいますが、全体の量から見れば焼け石に水です(笑)
でも最近は、こう思うようになりました。
今まで仕事に家事に育児にと大変だった分、片づけのことなんて気にせず、元気で機嫌よく過ごしてくれればそれでいい。
かつての私も「もったいない」が口癖でした。それが変わったのは、小さい家に住んで、そうせざるを得なかったから。環境が変えてくれただけです。広い家に住んでいたら、今も同じように溜め込んでいたかもしれません。
だから母に「捨てなさい」とは言えない。私が変われたのは、たまたま52㎡に住んだからなのだと思います。
※広い家を見て思ったことはこちらの記事にも書いています。
まとめ|「捨てる」は慣れる。小さい家がその練習場になった
「もったいない」が口癖だった私が、捨てられるようになったのは小さい家に住んだからだと思います。
スペースに限りがあるからこそ、「本当に必要か」を考えるようになった。ソファを手放してすっきりした体験が、最初の一歩になった。
「捨てる」は慣れる。そして慣れると、暮らしが軽くなる。
完璧じゃなくていい。贈り物や手紙はまだ捨てられないけれど、それでも以前よりずっと身軽になりました。小さい家は、私にとって「捨てる練習場」だったのかもしれません。
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